出会いが人間をつくる
2024.10.09今年の4月ころ本屋さんに平積してある本の版画字の書名を見て心が動きました。「坂上に咲く」城北高校と重なってどんな本だろうと心が動いたのです。近づいて手に取ったら「板上に咲く」でした。その本は小説家原田マハによる日本の世界的版画家棟方志功の人生を小説化した本でした。サブタイトルは「MUNAKATA:Beyonnd Van Gogh」(棟方はゴッホを超えた)です。キュレーターであった原田マハ独特のアート小説です。この小説は出会いがテーマであると考えました。出会いによって自分をどうつくるかと考えました。自分の才能と努力で世界的に高く評価され賞賛される棟方志功版画の世界を確立したその「裏」には、柳宗悦と濱田庄司と河井寛次郎との出会いを才能開花に精進開花に自己啓発させた棟方志功の力人間性と才能があったと。城北高校の建学の精神「人間をつくる」を考える時、いつも自分はどうしてつくられたか、つくって来たかを考えます。そしてまたいつも考えることは、「人間が自分という人間をつくるのは出会いであると」。出会いが人間をつくります。その出会いをどのように自分の自己啓発力に結び付けるかがいかなる人間になっていくのかになります。そのことをこの小説を読んで考えました。坂の上に咲く出会いであればと考えます。