理事長室
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熱血理事長の希望日記

令和元年の「人間とAIの違い」論

2023.10.18

「・・・人間とAIの最大に違いは肉体か機械かだ。人体には37兆という膨大な数の細胞からなり、それらは複雑な機序で統制されて、代謝を繰り返しながら生命が維持されている。そして無数のバリエーションの体験を重ね、憶測、孤独、懐かしさ、別れの悲しみ、寂鬱、憂愁、もののあわれなど深い情緒を有するに至る。大事なことはこれら情緒がすべて、人間が有限な時間の後に朽ち果てる。という絶対的宿命に起因していることだ。美意識だって深い所で死に結びついている。死がなければすべての深い情緒は消滅する。死のないAIは文学や芸術を創作できない。数学や自然科学においては美意識が最も大切だから、AIには計算や分析や証明はできたとしても発見はできまい。三角形の内角の和が180度という小学生の知る性質すら永遠に発見できまい。AIが恐るべき能力を発揮する分野は多いが、人間を凌駕する分野は限られている。若山牧水の「白鳥は哀しからずや 空の青 海のあおにも染まずただよふ」に涙を流せないからである。」と数学者の藤原正彦さんは文藝春秋の令和元年6月号に書いていました。

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