令和5年度 第12期生宣誓式
2023.10.10式 辞
秋晴れのこの佳き日に、令和五年度宣誓式を迎えた第十二期生、看護科二年生三十五名の皆さん おめでとうございます。ご家族の皆様にも心からお祝いを申し上げます。また、本日は、ご多用の中にも関わりませず、山鹿市長 早田順一様、各中学校の校長先生方、臨地実習でお世話になります各病院の看護部長様をはじめ、多くのご来賓の皆様にご臨席を賜り、心からお礼を申し上げます。
今、日本は、超高齢化社会を迎え、医療や介護は大きな転換期にあると言われています。医学は日に日に進歩し、医療のシステムは社会情勢により年々変わっていっています。このような中にあって、十二期生の皆さんは、中学生の時に人の命と寄り添う看護師の道を志しました。おそらく、大半の中学生が進路を迷っている時に、あなたたちは、この看護の道を選んだわけです。素晴らしい尊い選択だと思います。
そして、皆さんは、入学して一年半の間に、看護技術はもとより、看護の専門知識を学び、更なる成長を遂げました。また、助けを求めている人に手を差し伸べたり、自分ができることで患者さんを助けたりと、博愛の心に更なる磨きもかけました。このまま看護師への道を自分の意志で一歩一歩確実に歩んで欲しいと願っています。
実は、昨日、十月九日が私の父の命日でした。二年間ほど、入院して亡くなったのですが、その時、お世話いただいた看護師さんに、とても感謝しています。飲み込む力が弱かった父を励ましながら、らく飲みを使ってゆっくりとそして、優しく飲ませていただいたり、短気で怒りっぽかった父を上手になだめたり、担当の看護師さんにはずいぶん迷惑をかけたのではないかと思います。しかし、その看護師さんは、そんなことはおくびにも出さず、笑顔で私たち家族に接していただきました。看護師の仕事は、その患者さんだけでなく、その家族をも幸せにする素敵な仕事なのだとその時、思ったことを覚えています。
皆さんは、このあと一人一人、誓いの言葉を発表します。看護の道を歩む決意をしっかり述べてください。今日、立てる誓いは皆さんにとって、とても価値があるものです。これからはじまる臨地実習では、辛いことや迷うことがあるかもしれませんが、そんな時に今日の誓いの言葉を思い出してください。誓いの言葉は看護職を目指そうとした純粋な初心に戻してくれることでしょう。そして、前に進む勇気を与えてくれる魔法の言葉になるはずです。
最後になりましたが、臨地実習では、謙虚に学ぶ姿勢と感謝の心を忘れず、実習に励んでください。皆さんが、世界中の病める人々から頼りにされ、慕われる看護師になることを祈念して、式辞といたします。
令和五年十月十日 学校法人松浦学園 城北高等学校 校長 竹下恒範