校長からのメッセージ
ワンダフル校長からのメッセージ

令和5年度 卒業式式辞

2024.04.18

式 辞

 春の穏やかな風を感じ、桜のつぼみが膨らむ頃となりました。未来に旅立つ高校卒業生二百十二名、看護専攻科卒業生三十一名の皆さん、卒業おめでとう。心からお祝い申し上げます。

さて、高校卒業生が入学した三年前は、コロナ禍により、思うような教育活動ができていませんでした。そのため、君たちは、不安や焦り、やり場のない葛藤をかかえながら過ごしていたことと思います。しかし、今年度は、ほぼ通常の教育活動に戻り、五月の体育大会や十一月の学園祭では、最上級生として確固たるリーダーシップを発揮し、大いに盛り上がり、躍動していた姿がとても印象に残っています。

看護専攻科卒業生は、この五年間、看護師になるという目標を追い求め、実習や専門的な学習を積み重ね、その集大成ともいえる国家試験を先日終えました。時間を惜しんで、誰よりも努力していたことは専攻科の先生方をはじめ、私もよく知っています。「人事を尽くして天命を待つ」必ず、良い結果が得られることを願っています。

君たちとは、もう一つ思い出があります。それは、六月から一月末までほぼ毎日、昼休み時間を利用して一人一人と面談を行ったことです。自己紹介から始まり、将来の夢などを語り、時には、好きな食べ物やペットの話をしたりしてとても楽しい、有意義な時間を過ごすことができました。「城北高校に来てよかったですか」の質問にもほぼ100%、「城北に来てよかった」と答えてくれたことが、何よりうれしく思いました。

さて、皆さんの門出に当たり、はなむけの言葉を二つ贈ります。「あなたの将来の夢は何ですか」と尋ねられた時、君たちは、何と答えますか。「看護師、介護福祉士、料理人、あるいは、プロ野球選手、学校の先生になりたい」など、ほとんどの人は、あこがれの職業を夢として、答える人が多いと思います。実際に、四月からその夢が実現する人もいれば、これから自分の夢の実現に向けて努力する人もいるでしょう。しかし、君たちはまだ若い。夢はまだまだ続きます。これからは、人としての目標を夢にしてください。つまり、「あなたの夢は何ですか」と尋ねられた時、職業ではなく、「こんな人になりたい」と夢を語ってほしいのです。「あなたの夢は何ですか」「私の夢は、素直で思いやりのある人になることです」「いつも感謝を忘れない人になることです」「何事もあきらめず、最後までやり抜く人になることです」などと答えてほしいのです。自分にとって、どんな人になりたいかという目標を将来の夢にしてください。このことは、建学の精神「人間をつくる」に通じるものであり、城北高校の真髄であると考えています。

もう一つは、人は、自分のためにではなく、人のために生きようとするとき、豊かな人生を送ることができます。「自分のことより先ず人のことを思え」の城北スピリッツの教えが正にそうです。周りの人から「君がいたから助かった」「君のおかげだよ」と言われると、これ以上の喜びはなく、生きがいを感じられるものです。今ある夢や希望は単なる自己満足ではなく、その根底には常に、家族のため、友達や周りの人のため、社会のため、世のためということを忘れないでください。

保護者の皆様に一言ご挨拶申し上げます。お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。私たち教職員一同、名門城北高校を目指して、『豊かな人間性で日本一の高校に』という教育目標達成のために、全力で教育活動に取り組んでまいりましたが、必ずしもご満足のいくような教育ができなかったかもしれません。保護者の皆様には、これまで本校の教育活動にお寄せいただきましたご協力とご支援に心から感謝申し上げます。卒業生の皆さん、今日の卒業式は本校を巣立っていく日であると同時に新たな旅立ちの日でもあります。このように皆さんが無事に卒業できるのもいつも温かい眼差しで見つめ、励まし、支えて下さった保護者の方々、そして家族や地域、ご来賓の皆様のご支援があったことを決して忘れてはなりません。どうか、ご来賓の皆様には今後ともご指導、ご鞭撻いただきますよう心からお願い申し上げます。

最後になりましたが、どんなに能力があっても才能に恵まれようとも健康を損ねたらそれらを生かすことはできません。君たちにとって一度きりの人生です。どこまでも健康第一で力強く自分の人生を切り開いてください。君たち一人一人がそれぞれの人生の開拓者として立派に成長することを祈念して式辞といたします。

令和六年三月一日   学校法人松浦学園 城北高等学校 校長  竹下 恒範

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