
信念
2025.11.12【これは あなたの手帖です いろいろなことが ここには書きつけてある この中のどれか一つ二つは すぐ今日 あなたの暮らしに役立ち せめて どれかもう一つ二つは すぐに役に立たないように見えても やがて こころの底ふかく沈んで いつか あなたの暮らし方を変えてしまう そうなふうな これはあなたの暮らしの手帖です】今から77年前の戦後間もない1948年、「もう二度と戦争を起こさないために、一人ひとりが暮らしを大切にする世の中にしたい」そんな理念のもとに花森安治さんと大橋鎭子さんが「暮らしの手帖」という家庭雑誌(隔月間)を創刊しました。前述の【 】内の言葉は、初代編集長だった花森安治さんが創刊時に書き記した言葉です。「暮らしの手帖」とは大学時代に出合いました。広告を載せない自分たちの信念で世の中の人に届ける雑誌をつくる。その姿勢に興味を持って当時読んでいました。メーカーですらやらないくらいの過酷なテストを編集部員が行い、広告的なものに一切迎合せずに結果を導き出す名物企画「商品テスト」にも驚きました。信念を持つことについて考える時この雑誌が浮かびます。画家で文筆家のヤマザキマリさんのお母さんは花森安治さんに強い影響を受けて「暮らしの手帖」の信念でシングルマザーで二人の姉妹を育てられたそうです。暮らしの手帖のレシピにあるアップルパイをいつも作ってくれたとヤマザキマリさんは語っています。信念を考える時山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」を思い出します。「今日、理事長室に掃除をしに来てくれた男子生徒3人が「城北スピリッツ」について私に質問しました。私は城北スピリッツ「自分のことより先ず人のことを思え」の一番身近なことは「先にあいさつをすること。お先にどうぞが言えることだよ。」と話しました。「わかりました」と笑顔で部屋を出ていきました。私は今からまた「信念」を考えねばなりません。
