理事長室
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熱血理事長の希望日記

機敏が蠢く

2026.04.08

「うつくしいものは、望もうと望むまいと、人の真実を露わにする。もちろん多くの場合、見る者、手にとる者に幸福をもたらすが、けっしてそれだけには終わらない。際立ってうつくしいからこそ、奥底に重層的な陰影を潜ませており、与えなくてもいいはずの光をもたらして浮き彫りにしてみせたり、分け入らなくてもいいのにひとの心理を腑分けしたりもする。偶然などではない。これは、うつくしいものがみずから背負った宿命、意図しない残酷、または世の理なのだ。・・・」で始まる文章を有吉佐和子の「青い壺」の文庫本の解説で平松洋子が書いている。その解説を読んで久しぶりに感動した。文章の美しさに言葉の美しさに感動した。読んでいて心が美しく素直になる文章である。読解力が想像力に振動して表現力にその振動が増幅して文章ができているように感じる。言葉の使い方表現する感性が素晴らしい。平松洋子はエッセイストであるが、食と料理と生活文化にセンスが光る人。特に料理の感性を追究している人。料理の感性を探究する人は文章が旨くなるのではと思う。最後のほうの「美とはなんだろうか。ほんとうのうつくしさとはなんだろうか。青い壺は、人間の機敏がさかんに蠢く日常のなかでさらりと大命題を問いかけてくる。・・・」の「機敏が蠢く」の表現などは料理かなと思う。

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