理事長室
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熱血理事長の希望日記

些細なつらぬき

2026.07.07

「身辺の、ほんのちょっとしたことでいいんです。例えば鏡台前を散らかしておくことがないとか、バカねという言葉は決していわないとか、そんな些細なことでいいのです。それを一生かけて守りつづける気になっていただきたいんです。一つのことを、生涯を通じてつらぬくんです。つまらないことのようですが、これ、案外強い手ごたえになります。些細なことでも一生かけてやりとげるのは相当な心掛けがいります。私に一つだけ、守り続けていることがあります。それは「ふきん」をきたなくしておかないことです。十四、五歳のときからです。たかが「ふきん」一つです。でも私はこれ一つを心掛けたおかげで、どんなに自分自身を理解したか。まず第一が自慢です。不潔なふきんの人を軽蔑し、みくびる。その反面、もっと白いふきんに出あえば狼狽し、業をにやす。人のそしりにあってやっと知る数々の自分の性癖でした。でもーでもとうとう今まで、続けてきたのです。目まぐるしく進む世の中です。目を、心を奪われることばかりです。白いふきんなどあまりに些細ですが、目をまわした時には、ふっとこの白をたよりに、方向をとりもどします。1969年 64歳」

幸田文さんの私の好きな随筆です。信念を書いていても自分の心を曝け出す可愛さもある文章です。今この世の中であっても大切にしたいことです。私の些細なつらぬきは「言い訳をしない」です。

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